月夜に釜を抜かれる

『月夜に釜を抜かれる』(つきよにかまをぬかれる)とは、月が出ている明るい晩に釜を盗まれてしまう。つまり油断をして、つけ入れられてしまうという意味を持つことわざである。月夜の晩というのは非常に明るく、泥棒も行動を避けるくらい盗みを働くには難しい夜なのである。それなのに、釜のような大きなものをその月夜に盗まれてしまうというのは、よほどのことであろう。それだけ油断していなければ盗まれることもないだろうという意味のことわざなのである。類似したことわざに『鳶に油揚げをさらわれる』がある。どちらも、自分にとって大切なものを意外なところで第3者に取られてしまうという意味あいを持つことわざである。どんなに安全な場合でも、絶対大丈夫ということはない。それが大切なものならば余計に慎重に、油断はしてはいけないという教訓が込められているのだろう。米を炊くのに必要な大事な釜を盗まれたのでは大変である。